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ISHIKAWA Kiyotaka

ワークショップ

シンポジウム&ワークショップin京都 Day2

昨日に引き続き、京都。今日は池坊短期大学のホールにて、ワークショップ。

同志社大も池坊短期大学も建物が1号館とか2号館じゃなくて、

良心館とか、和な名前。洒落てます。

 

午前中は仲道郁代さんの鑑賞型ワークショップ。

「音が見える人になって欲しい」とのことで、工夫を凝らして音を視覚的に訴えていました。

抽象的なイラスト(画)を3枚見せながら短い曲を弾いて、終わった後にどの画が曲のイメージに近いか尋ねられて、みんなそれぞれに手を挙げる。そのうち2、3人から何でその画が一番イメージに近いか尋ねるとそれぞれ答えはみんな違う。

「あったかそうだから」。

「水面に浮かんでいる」。

それぞれ違って、それぞれみんな正解。「正解はみんなの心の中にあるんだよ」と、郁代さん。

今回は大人の集まりだったけどみんな顔がほころんだ。

・鑑賞型のWSでは説明をするのではなく、五感に訴える

・他の芸術のジャンルからのアプローチ

・「正解」ではなく、「自分の答え」

・他人の意見も認める

ことについてポイントを置いているそうです。

 

体験型のWSでは、

・感じる事は人それぞれで良いと実感してもらう

・他の参加者に「認めてもらう」体験をすること

をポイントにしているそうです。

ワークショップを行う上で必要な事をたくさん話していただきましたが、

ここではとても書ききれません。

 

マイク・スペンサーさんは「時間と調和の探求」というお話&ワーク。

2人1組で新しい友達と脈を取り合う。これは鼓動の実感。

パルスから始まった音楽の起源から始まり、いつもの独特なプログラムで

ハーモニーやポリフォニーを理解しやすく話&実践してくれます。

楽典の辞書も大事ですが、こういうぐいぐい引き込まれるようなきっかけ(仕掛け)も必要だと思いました。



河村晴久さんは、能の面(おもて)にまつわる話、「かまえ」の体験、など基本のきから説明してくれました。謡の方々も来てくれて演奏も聴かせてもらう。謡にあわせて一般の人が手拍子する経験なんてそうは無いだろうと思います。

能は五線譜のように決まったものではなく、緩急や音程は演者によって毎回異なるそうです。

型(かた)は決まっているますが、もしかしたら能は形のあるJAZZなのかも知れませんね。

 

 

とりとめもなく備忘録的に書いてしまいました。

 

 

シンポジウム&ワークショップin京都 Day1

同志社大学で開かれたシンポジウム&ワークショップ「世界から見た日本の真髄」。

一日目はシンポジウムで日本文学がご専門のJ・ルービン教授(ハーバード大名誉教授)の講演からスタート。村上春樹氏の、最近だと「1Q84」の英訳もしたルービン教授。能の研究をされたこともあるそうですが「研究すればするほど奥深く限りが無い」という・・。

確かに深いです、能。もちろんまだまだ浅いところしか知りませんが。

これは後ほど聴いたシテ方の河村晴久先生のお話ですが、自然との調和、大地(自然)とひとつになろうとする姿勢が能の基本スタンスのようです。

 

ルービン教授の後には、丸紅で活躍された紿田 英哉氏の講演。

紿田さん自身はスズキ・メソードでヴァイオリンを幼少から習い、そのことが後のビジネスマンとして国際社会の中で多いに役に立ったと教えてくれた。

そのスズキ・メソードがU.S.を経由してベネズエラに渡り、それをヒントにエル・システマが生まれた。

そして東日本大震災の後、再び海を越えて日本に帰って来て、エル・システマジャパンという音楽を使った活動・教育システムになっているとのこと。

外国との異文化交流と言うのはこういう事なのかもしれませんね。

 

その後にマイク・スペンサー氏、仲道郁代氏、河村晴久氏のそれぞれの活動(ワークショップ)の状況やスタンスなどを30分くらいづつ話していただいた。

この3方のWSのお話は翌日のワークショップで。

 

最後に近藤誠一前文化庁長官の講演。

近代合理(科学・物質・効率)主義で、左脳を使う事が多くなり、社会は発達したが、精神性やモラル(右脳のこと)の復権が必要とのご意見。

ロイヤルコペンハーゲンの美しい色彩・綺麗な円と日本の楽焼の自然にとけ込む色彩や・いびつにも見える形。

日本はより自然と共存、自然の中に生きる事を考えていたかがわかる例をあげて、現代でも多様性を受容出来るはず、余白(間)を大切にする分かである事を改めて示してくれました。

 

1日目のプログラムは以上。

 

その後フル回転したアタマを冷ます為にチームいくよ〜の仲間とご飯へ。

結局お豆腐屋さんでも話は尽きず、22時ころカフェへ。

とっぷり夜も更けました。