16-08-20 パターン、認識、ジョシュアツリー。

先日、マイケル・スペンサー氏(マイクさん)の講座の中で、「パターン」の話が出てきた。

人が音楽を認識する過程では、記憶とパターンの照合を行っているらしい。

脳は聞いている音楽の部分部分を、今まで貯めた脳内図書館のようなところの記憶と照合して「あ、これは前に聞いたことがある」、「これは前に聞いたパターンと似ている」というパターンの認識を行っているということだ。

 

先日読んだデザイン関係の本「The Non Designer’s Design Book」には、(記憶だよりで、大雑把にしか書けないが)こんなことが書かれていた。

子供の頃、プレゼントに植物の本をもらい、読んでいるとジョシュアツリーという木について書かれていた。
見分け方は比較的簡単だったが「自分はこの木を見たことがない、きっとこの近くにはないんだ」と本を読みながら考えた。
ところが家の外に出て近所の木を見てみると、多くの家の庭にジョシュアツリーが立っている。
今まで「見て」なかったのだ。そこにあるのに、見えていなかったのだ。見えていなかったものが、「こういう特徴を持った木がジョシュアツリーという名前で、この世に存在する」、と認識したから、初めて「見えた」のだ。

 

マイクさんのいう音楽のパターンの認識もこれに近いことがあるのではないかと思った。

音楽の構造やパターン、強弱、テクスチュアなど、音楽を認識する言葉や概念を知らないと、言葉にして伝えられないどころか、自分の中でも理解できないし、覚えることもままならない。

聴き方の能力を上げることは、こういう概念を認識することから始まるのかもしれない。

マイクさんはそんなプログラムを用意してくれる。それを各地の先生や児童・生徒に届けられるのは、非常に面白いことだと思っている。